俺と停車ボタン
ボタンが好きだ。 バスの停車ボタンも例外ではない。 これを押すことに命を削る。 同じことを考えている人は多い。つまりライバルだ。 俺がガキの頃はこれを押すのがとてもステータスだったのだが、 最近の子供はあまり押したがらないようだ。クールだな・・・ ライバルは同世代の人が多い。ベビーブームで停車ボタンの競争率が 高い時代を生きてきたからだろうか。 少子化で競争率が低い今の子供達は、楽しみがひとつ減るわけだから可愛そうだ。 ライバルがいないと盛り上がらないもんね。 激動の時代を生き抜いてきたライバルは強い。 「次は・・・」の「つ」ぐらいで押されてしまうことがほとんどである。 更に上級者になると、前のバス停を発車した瞬間に押す。 これはバス停を覚えていないとできない大技だ。 一歩間違えれば違うバス停で降りることになるとてもリスクの高い技なので、俺には とてもできない。 この技を決めた人はとても得意げな顔をしている。俺もいつかその高みまで登りつめたい。 ※文中に一部誇張表現が含まれています 戻る