俺とスタンガン
俺がガキの頃だろうか、スタンガンが世に出回り始めたのは。 バチバチ火花が散るその物体は子供の目から見ると、かなり魅力的な おもちゃである。カチンコが鼻くそに見えるぐらいの。 しかしガキの小遣いじゃとても買える代物ではなかった。 そこでスタンガンを自分で作ることにした。中1の時である。 何かの書物を参考にしたんだとは思うが、その書物が何だったかは忘れた。 フラッシュ付き使い捨てカメラを分解して少し手を加えると、瞬く間にスタンガンの 完成である。 「危険ですので分解しないで下さい。」 って書かれたものは、子供にとっては 「分解して下さい。何が起こるかドキドキ〜」 ってのと同じだよ。 バッテリーとか水銀式体温計とか花火とか電池とか、その文を見ると分解せずには いられなかったな。 自作式スタンガンの威力は? 半分ぐらいまでためて両極を持つとなかなかのビリビリ度。最大ためはあまり触りたくないな。 ショートさせるとバチッと小気味よい音がして火花が散る。 俺は楽しくなってあちこちにくっつけた。 バチン、バチン、ビビビビビ。 大門君を実験台にパワー最大で試したら、彼は2時間ほど気持ち悪い気持ち悪いって言ってたな。 あれっ、大門がいたってことは小学校6年の時かな・・・? やがてパワーに物足りなさを感じてきた。 誰もが行き着く道、パワーアップの改造である。 コンデンサを馬鹿デカいのに変えてみた。 これは凄い。 配線も吹っ飛ぶほどの爆発力。 配線をぶっといのにチェンジ。 学校のパイプ椅子にくっつけると、ちょっとした小爆発が起きて穴が空くよ。 すげー。 俺は楽しくなってあちこちの金属に穴をあけた。 もう素手じゃ触れない・・・ こうしてスタンガンを大量に自作して友人に配ったりしたのを思い出した。 今の小中学校でこんなことやってたら問題になりそうだな。 戻る