俺とブランケット症候群
知人歌手(25歳)はいつも薄汚れた小さなクマ(っぽい)のぬいぐるみを持 っている。 どんな時も肌身離さずだ。 飲み会の時はテーブルの上に座らせているので、黒い(元は白いと思われる) クマさんは弥が上にも目に付く。 周りの大人達はチラッと目をくれるのだけど、それに突っ込んだ人はいなか った。しかし好奇心旺盛の俺は。 「それなぁに?」と聞いてしまった。だって興味あるし。 「これは○○ちゃんですぅ。はい、挨拶して。」「こんにちはっ!」 子供の時からずっと持ってるそうだ。 タオル地だからすぐ汚れてしまうのだろう。 これ何て言ったっけな・・・ あ、スヌーピー症候群だ! いや、ブランケット症候群だっけ? スヌーピーに出てくるライナスがいつも毛布を持っていて、それが語源だった はず。 そのライナスの毛布が人によってぬいぐるみだったり、フェイスタオルだった りするのだ。 小さな子供だと自分の匂いが付いた物に安心するってのはわかるけど、大人の 場合も同じなのだろうか。 無いと精神的に不安になるのか、それとも、無くても大丈夫だけどあるとより 良い状態になるのか。 心の拠り所が全く無い俺としては、物によって安心感を得られる人が羨ましく 思う。 落ち込んだ時やイライラする時も自分で何とかしなくてはならない。 手に入るならライナスの毛布的な物が欲しい。 戻る