俺と試食 試食道
スーパーの食品売り場でよく試食コーナーがある。 「小銭の落ちた音に反応してはいけない」って言うモットーを持つ俺としては、 例えおばばが満面の笑みで試食を差し出してきたとしても、それを安易に 受け取るような卑しい行為はしない。 5秒間の葛藤の後に、「そんなに押しつけてくるなら仕方ねーなー」ぐらいの 心のゆとりを持って、はにかみつつ頂戴したい。 自分から手を差し出すなんてのは論外だ。 ん、旭川ラーメンだ? ん、手作りソーセージ? ん、ローストビーフだ? 敵はあの手この手で揺さぶり攻撃をかけてくる。 平常心を保て。冷静になれ。 最近は恥じらいを持つ人が少ない。 巨大な人垣が出来ていると思ったら試食コーナーだったりすることもある。 新しい試食コーナーが開かれると、ドドドドッと民族の大移動が始まる。 老若男女様々、若い男子学生なんかも大移動に加わっている。 そこまでやろうとは思わないが、ポリシーと信念を貫く(どんなんだ?)なら、 たまには試食も良いか。 試食コーナーで食べるとおいしいんだけど、それを買って家で食べるとあまり おいしくないんだよね。 あれは試食コーナーって言う異次元空間だから味がアップしてるのだと思う。 戻る