俺と仕事 PART2
仕事で色々な所を回り、様々な体験をしてきた。 それを少しずつ紹介していこうと思う。 何をしていたかは詳しく書かないし、紹介するだけでオチなどは無いよ。 社名を出しても問題無さそうな大企業はそのまま、問題ありそうな所は社名を伏せることにする。 今回はパチンコ屋関連。 ◆ある小さなホール  パチンコ60台、パチスロ40台ぐらいの小さなホールだった。客はまばら。  2Fが事務所なので脇の階段から上がっていく。  一番手前の小さな部屋が店員達の休憩所。散らかっていて汚いし、タバコの煙で靄がかかっている。  ここに監視モニターが設置されているのだが、白黒で画像荒いし誰も見ていないし、役に立って  いるのかは不明。設備をケチるのは良くないが、余裕が無くて買えないのなら仕方ない。  S市には監視カメラのないホールもあったからね。(そこは潰れた)  オーナーに会うときはこの部屋からつながっているひとつ奥の部屋に行く。  ドアを開けた途端眩い光が。  見るからに高そうな赤い絨毯が敷いてあり、壁には動物の剥製が飾ってあり、あちこち金ピカで  ある。たぶんバブルの頃に作ったか、もともと悪趣味なのかどちらかだろう。  「ガハハ、遊びに来たら良い台打たせてあげるよ。ちょっと下で遊んでいきなよ。」  冗談かどうかわからないが、いつもこんな感じのガハハおやじである。  俺は据え膳は食わないし、人に借りを作ることを良しとしない人間なので、このような場合は全部  断っている。  実際の所ホール経営は火の車だが、この店の場合オーナーに原因があると思う。 ◆ある中ぐらいのホール  前に住んでいた所からそれ程遠くない場所にある。  オーナーは若い。この世界では珍しいんじゃないかな。  オープンから数年で潰れてしまったホールを買い取る形でスタートした。  パチンコ屋経営に関しては全くの素人だったと言うが、そんなんでもオープンできるんだな。  あれこれ相当大変だったそうだが。  オープンしてから数ヶ月のこと。  この店の設定を担当して欲しいと言われた。  自分達ではできないから外部委託って形を取るしかないわけで、俺に白羽の矢が立ったのだ。  俺も素人なんですけど?  多くの打ち手がへっぽこ店を見て「俺だったら設定配分はこうするのに。」とか思っている  だろうけど、実際設定の管理は思っている以上に難しいと思う。    めちゃくちゃ興味はあったのだが、この店の体力を考えると失敗=閉店臭いので責任重大だし、  休み無しで深夜に毎晩作業するってのが抵抗あった。  断った。  ここは1年後潰れた。 ◆大きなホール  チェーン店。  小さなホールに比べるとつまらなく感じた。  規則正しく理路整然としているし、雇われ店長は転勤もあるしで、普通の会社を訪問してる  のと変わらない感じ。   ◆遊技業協同組合  どんな所かと言うと、業界の健全化と発展を目的〜うんたらかんたらって団体。  警察の天下り先である。  俺が週1ぐらいのペースで訪れていたのは地方(と言っても都心から30分ぐらい)の組合。  組合は普通のマンションの一室だったり、まるで昔の市営住宅のようなぼろい1K平屋だったり、  箱自体は質素な所が多かった。  ドアを開けると普通の民家と変わらない。冷蔵庫があってTVがあってコタツがあって、みたいな感じ。  ここに住むこともできるじゃん。  遊技業協同組合って名前からは威光を感じるのだが、そこにいるのは50〜70歳ぐらいの  おじいさん1人ってケースが多い。1人で1地区の仕事を全部やるようだ。  全部と言っても仕事量は少なそう。何だかぬるそうだよ。  いつものんびり適当にやっているような印象を受けた。まぁ実際そんなことないだろうけど。  公務員の事務職と同じ匂いがするよ。  無造作に書類が置かれている。  パチンコ屋ってのは事あるごとに書類を提出しなくてはいけないのだ。  台を勝手に移動するのですら不可。移動申請が必要なのである。  ここに来ると地区内のパチンコ屋の動きが全て把握できた。  把握した所で得することは何も無いのだが。悪用したら大問題になるし。    組合で働くのも良さそうだな。  茶飲みながら書類にハンコ押して印刷して終了〜みたいな。  そんな楽じゃないかもしれないけど。 戻る