俺と浪人回し
浪人回しの正式名称って何だろうか。 気が付いた時にはみんなこう呼んでた様な気がする。  俺の見解 浪人してる間は暇で暇で仕方ないけど、何となく机に向かわなくてはいけない。 勉強する気がないのに机に向かったらどうなるか。 マンガとかゲームが近くにあればそれを始めるだろうが、 図書館や予備校で軟禁状態なら身近な物で遊ぶしかない。 身近な物って鉛筆や消しゴムしかないなー。 じゃぁそれで遊びを開発するか、って経緯があったに違いない。 日本で最初に浪人回しを開発したのはだれだろうか。 案外平安時代には既にあったりして? 紀元前から存在してた可能性もあるかな。 そんな浪人回しだが、この技を拾得するには練習が必要だ。 だんだん高度な技を身につけていくのは、スケボーに似てるかもしれない。 俺はブキッチョだったので最も簡単なのしかできなかった。 無理に挑戦するとすぐにペンがどこかへ飛んでしまって、授業中なのに落ち着きが 無いったらありゃしないよ。 俺みたいなレベルの奴が試験中にやるのはリスクが大きいので気を付けよう。 高校の時に奴は現れた。 浪人回しのスペシャリストせっぱ君。 彼はいつも自然にその技を決めていた。 「何それ」 初めて見たときはもちろんこう言ったさ。 確か兄貴に教えてもらったとか言ってたかな。 それから地獄の特訓が始まった。 うさぎ飛び、ウエイトリフティング、水泳、断食、得意先回り ←ちょっと誇張。つーかどれもやってない できることは何でもやった。 そしてやっと基本をマスターしたのであった。  せっぱ君が披露した技の数々 (技の名前は今適当に考えた) ◆ノーマル   難易度 低  中指と薬指の間にペンをはさみ、親指でペンを弾いて人差し指と中指の間に  移動させる。 ◆180°   難易度 低  ノーマルはそのまま移動するだけだが、こちらはペンの前後が入れ替わる。  あれっ、今やってみたら何か違うな〜。こんな格好悪い技じゃなかったような気が。  技って言うより半回転させてるだけだし。 ◆360°   難易度 高  1回転させて1段移動。  ブルンブルンって回って格好いい。  俺には無理。 ◆2段飛ばし   難易度 中  通常は1段しか移動しないが、この技は小指−薬指間から2段スライドする。 ◆コンボ   難易度 中  小指−薬指間から薬指−中指間、そして中指−人差し指間へ。 ◆リバース   難易度 中  ノーマルの逆。ペンが下に降りる。 ◆往復   難易度 中  ノーマルとリバースの繰り返し。  大会(あるのか?)では基本技。 ◆マクドナルド   難易度 高  コンボを下中上中下〜と永遠と繰り返す。  ひぃ、無理。 ◆プロペラ   難易度 高  斜めの軸で360°永遠に回す。 ◆大車輪   難易度 高  ペンが水平に360°グルグル回る。  本人は他の技より簡単とか言ってたが、俺から見れば人間業とは思えません。   戻る