俺とキャップ
2時間半かけて昼飯を食いに行った。 いえ、これでもパワー不足です。 以前ならもっと無茶したのに、もう遠出する気力が起きないんだ。 本当は北海道や沖縄にもふらっと行きたいのに。 昼飯食べ終わってぶらぶら散歩。空気がうまい。 緑が多いし、潮風が気持ち良いし、日頃のストレスが薄らいでいく。 自販機で飲み物を買って歩きながら飲んでいたら、キャップが落ちて転がっていった。 拾うって選択肢は無い。当たり前だ。 30秒ぐらいして、後ろから軽快な駆け足の音が聞こえてきた。 「落としましたよ。はぁはぁ・・・」 声の主は男子高校生2人連れの片方。(中学生かも) えっ。 普通拾うか? 馬鹿にされてるのだろうか。と一瞬思った。 しかし。彼の澄んだ眼と爽やかな表情で、それが親切だとわかった。 田舎の方の中高生ってまだまだ心が綺麗なのだ。 大家族の生活とか家庭の団欒とかって、まともな人間を形成するのに必要なのかもね。 都心の中高生となると’ませて’冷めた人間が圧倒的に多いように感じるが、現代の生活環境じゃ 仕方ないのかもしれない。 さて、このキャップどうしよう。 一度地面に落ちたものを再び装着ってのは抵抗がある。 飲み終わるまで手の中で握っていた。 戻る