俺と賭場
中学生時代の資金源は賭場だった。 賭場と言ってもプレイヤーではなく主催の方。 休み時間になると俺の机の周りに人が集まってくる。 みんな賭け事が大好きなのだ。 プレイヤーを飽きさせないように常時100種類以上のバクチをノートに作っていた。 大学ノート1ページに1つのギャンブル。 射幸心をどれだけ煽れるか。どれだけもう1回やりたいと思わせるか。 新作を待ち望んでいる生徒も多く、練りに練った物をどんどん作り出した。 ギャンブルに必要なのはランダムな抽選。 これにはサイコロ、トランプ、花札を用いることが多かった。変わった所ではコイン を指で弾いたり。 サイコロでのスロットマシン、双六、ルーレット、シミュレーションバトルetc。 面白そうでしょ? やりたくなるでしょ? 純粋なポーカー、花札、将棋などで勝負することもあった。 もちろん勝つ自身があったからだ。 中学生相手に負けるわけがない。俺も中学生だったけど。 この頃から既に数字が大好きだった。 緻密な計算を駆使して、勝てそうに見えて絶対に勝てないゲームを乱発。 安定して収支が上がるようにジャックポット的なものはあまり作らない。 1回の掛け金は1〜100円と設定。多くのゲームが10円だったと思う。 これで儲からない訳がない。 1日の純利益は1000円ぐらいあった。 いつも制服のポケットが重くてじゃらじゃら鳴っていた。 小銭儲けの才覚は確かにあったのだ。 大人になり、この才覚をパチスロに向けたのは失敗だったと思う。 パチスロは掛け金とリターンの上限も決まっているし、店の手の上で踊らされているに 過ぎない。 何か別の(例えば課金ゲームとか)方面に進んでいたら違った人生になっていただろうな。 戻る