俺と謎のカレー屋
新しいカレー屋ができたので初訪問。 看板に「インド料理」と書いてあるが、店名は書いてない。 外の券売機でカレーの食券を買った。 そして中に入ると・・・あれ、誰もいないぞ。 10分ほど待ったが誰も来ない。 ちょっと暑いな。 エアコンが入ってない。よし、俺が開店準備をしてあげようとリモコン を探したが、そもそもエアコンが無いみたい。 壊れかけた扇風機が2台あったので電源を入れた。 ガタガタゴトゴトと凄い音がして動き始めた。 カバーがポーンと空に飛んだ。コントかよっ。 新しい店・・・だよね。大丈夫か? 更に10分ほど待ったがやはり誰も来ない。 営業中の看板が出ていて中の電気点いていたら、普通やっていると思う よね。 テーブルの上に「美味しかったです。また来ます」ってメモがある。 このメモから察するに、客を放置してどこかへ行ってしまうタイプの店 主なのかもしれないな。 そしてこのメモ、実は昨夜のって可能性がある。今午前11:30で開店直 後に違いないから。 店開けたまま一晩放置? 有り得なくも無い。 待っても埒が明かないので、諦めて少し離れたラーメン屋で食べた。 今日はスパでゆっくりのんびりだ。 〜 さっきの店が気になるので、近くに住んでいる人達に探りを入れた。 「食券買ったけど誰もいないので帰りました。」 「僕も食券買ったら誰もいなくて、誰もいないから返金もして貰えず。」 あー、やはり同じ目に遭った人いた。 新しい詐欺のシステムかな? そうだ! 物知りの人がいた。 占い屋のばーさん。あの人に聞いてみよう。 そして聞いたら判明した。聞いてよかった。 300m先の肉屋の人がオーナーだって。なんと! ばーさんは暑い中、肉屋まで呼びに言ってくれた。 ブッチャーみたいなインド人が現れたよ。見た目汚い。 この人が肉屋やってるの? 誰も買わんだろ。 食券を渡す。 「ナンとライスでしか?」 ん、両方貰えるのかな? 待てよ。ここで「うん」と言ったら、ナンとライスだけ出てきてカレーが 出てこないんじゃ? 日本語あやふやなので危ない。 「ライス!」 ブッチャーは頷くと肉屋に戻っていった。 手にライスを持って帰ってきたよ。 皿に持ってそのまま道を歩いてくるのか。 いいけどさ。冷めるし衛生的にも不安はある。 ブッチャーはカレーを作り始めた。 厨房は汚い。お世辞にも・・・汚い。凄く汚い。 不安だがインドカレーって作り置きではなくその場で作る料理なので、そ の辺はやや安心である。 ライスは既に冷めていると思われるが。 俺ってばライスの冷めているのは気にしないタイプなんだ。 ん、カレーおいしい。 ライスに何か異物入ってるけど、死にはしないだろう。 別に腹壊すのは気にしない。アジア行けば良くあることだし、万一壊して もここは日本なので全然平気だ。海外で腹壊したら超心細いけどね。 ブッチャーに店名を聞いたら、「店名はありません。」と返された。 無いのかよっ! そんな店あるのか? 電話が掛かってきたらどう受けるのだ? 「はい、カレー屋です。」か? あ。店内に電話無いね。 腹は壊さなかった。 カレーを食べるステップは覚えた。食券買って300m離れた肉屋に持ってい けば良いのだ。何と言う初見殺し。 次からは大丈夫だが、他の人は無理だろうね。 占いばばぁに尋ねるってフラグ立てがムリゲーだと思うの。 戻る