俺とマッ缶
マッ缶とは「マックスコーヒー」の略である。 昔は缶コーヒーと言えばマックスコーヒーのことを指していた。 比率でも9割ぐらいを占めていただろうか。 自販機はマッ缶オンリーの物が多かったように思う。 10個ぐらいあるボタンのどれを押してもマッ缶が出てくる。 他の缶コーヒーの記憶は無いが、1割ぐらいはあったかもしれない。 道端に落ちている空き缶もほとんどがマッ缶だった。 毎年5月30日(ゴミゼロね)になると学校でゴミ拾いをやったのだが、俺はいつも マッ缶しか拾わなかったな。マッ缶専任。 学校から往復4時間程度歩く、プチ遠足っぽいこの行事は嫌いではなかった。 マッ缶だけでも大きなゴミ袋がすぐ一杯になったよ。 そんな馴染みのあるマッ缶だが、実はそんなに好きではなかった。 甘いからね。 理科の実験か何かで、缶飲料の砂糖を抽出するってのをやったのだが、マッ缶は堂々の 1位で24gも入っていた。ちゃんとした実験だし誤差はあったとしても小さいだろう。 1本でも砂糖の摂り過ぎだよっ! 今思うとこんなの全然コーヒーとは言えないが、マッ缶で育った人はこれが本物のコーヒー の味だと思っているに違いない。 戻る