俺とかまくら
子供の頃、それ程寒くない場所に住んでいたが、年に数回ぐらい雪が降った。 積もることは滅多にないので、大雪になると何だかワクワクしたものだ。 積もったらやることはひとつ。 かまくら作り。 かまくらを作るには大量の雪が必要である。 まずは雪を一ヶ所に集めよう。 スコップや一輪車で運ぶなんてのは、重労働だからやらない。 雪だるまを作る要領で、雪玉をどんどん転がしていくのが良い。 雪玉がいくつか集まったら、ここで初めてスコップを使用する。 周辺の雪を盛り形を整え、スコップで叩いたり踏んだりして強度を高める。 この工程をきちんとやらないと、途中で崩れてしまうので注意。 そして掘る。 ひたすら掘る。 入り口は小さく、中は広くが理想だ。 何度も作ってるのに、いつも狭いかまくらができる。 何で男同士でこんなにくっつかなくちゃいけないんだよ。 複数の人間がゆったりできる大きさにするには、かなり大きな山を作らなければならないのだ。 かまくらの中は暖かい。 ここに菓子やカップ麺を持ちこんで飲食するのが常だった。 雪が永遠に溶けなければ秘密基地になるのにな。 戻る