俺と秘密基地
ガキの頃秘密基地をよく作った。 住んでた所が田舎だったので、場所選びには事欠かない。 トムソーヤーに憧れていた部分もあったのか。 自分達だけの秘密の居場所を作るのがとにかく楽しかった。 ◆秘密基地その1 家からそれ程遠くない草むらの中に作製。 周りはススキが生えていたので外からは何も見えない。 誰もこんな所に秘密基地があろうとは思わなかっただろう。(と思う) 入るときは誰にも見られないように辺りを見回してからサッとだ、万全に。 この基地にはエロ本(拾った物)をたくさん蓄えてたな。 当時のエロ本は小学生にとって刺激が強かった、無修正が多いし。 ◆秘密基地その2 小さな神社の裏手にある草むらに作製。 ゴザをひいたのでそれなりに快適な基地だった。 ある日、基地のそばの水路内でたき火をやってたら、近くに住んでたババァ(教育熱心)が エライ勢いで走ってきた。 「あんた達、何やってんの!」 基地がバレたらたまったもんじゃないので、俺達はちりぢりの方向に逃げた。 そうしたら家まで怒鳴り込んできたよ。 んで火事だって騒いでやがんの。アホかと。 U字溝の中で焚き火やって火事になるわけねーだろ、死ね、クソババァ。 1週間後ぐらい後だったか、そのババァの子供がチャリで頭からドブ(かなり大きい)に転がり落ちた。 落ちた原因は俺達が幅寄せしたからだったと思う。 ◆秘密基地その3 ヤクザの家の横の空き地の隅に建設。 これはかなり本格的だった。 あちこちから拾ってきた材木を釘で固定して建てたものなので、今までにない高級感で 溢れてた。屋根もあるので雨が降っても大丈夫。本当に住めそうだよ。 ラジオを天井から吊してスイッチを入れるとなんだか妙に雰囲気が出たなぁ。 食料もバッチリ。 うまい棒などの駄菓子を袋にいっぱい詰めて保存しておいた。 そんな快適な生活が続いたある日。 俺達の基地が壊されてた! 跡形もなく壊され、材木が空き地の中央に山積みにされてるではないか。 「誰だっ、こんな酷いことをする奴はっ!」 「ああっ、俺達の基地が・・・」 食料は無事だろうか? 無事だったよ。(そんなの誰も取らないって) 他にもあちこちに作ったが、その話はまたいつか。 戻る