俺とドリームマシーン
最近再びドリームマシーンが流行っているようだ。 俺達はドリームマシーンって言ってたけど、今は失神ゲームって言うらしい。 ネットで検索してもドリームマシーンは1件もヒットしないので、うちらだけの呼び名だったのかもしれない。 流行ったのは中ニの時と高ニの時だったかな。 やり方は簡単で、深呼吸を何回かした後大きく息を吸って、肺が大きくなった瞬間に胸を圧迫するだけ。 後ろから羽交い締めにするとやりやすい。 するとあら不思議。気を失ってしまうのだ。 失神時間は数秒なんだけど、目が覚めた時に「わたしは誰? ここはどこ?」状態になる。 まるで永い眠りから覚めたように。 最初は休み時間のたびにやってたけど、そのうち飽きてきて誰もやらなくなってしまったな。 その数年後、高校時代に再び流行が訪れた。 中学の時みたいに、「次俺やって俺やって」って言う奴はあまりいなくなってしまった。 みんな少し大人になったのだろう。 罰ゲーム的な意味合いが強かったか。 事件は数ヶ月後に起こった。 ヤス(高校時代の親友)が部活帰りの道路でドリームマシーンをやって、頭を打ち救急車で運ばれたのだ。 退院後も半年ぐらい頭にネットを被せてたっけな。 それ以来、ドリームマシーンをやる時は後ろで支えるのが絶対となった。 その事件のせいで学校でのドリームマシーンは禁止になったんだけどね。 戻る