俺と悶絶!!どんでん返し
知人に沖縄出身の歌手がいる。Yちゃん。 Yちゃんは顔が握りこぶしぐらいしかなくて背も小さいので、「お人形さんみたい!」 「超かわいい!」とチヤホヤされるキャラだ。ファンも多い。 喋り方も丁寧だし、雰囲気も清楚だし、俺もずっとそのような人だと思っていた。 先日打ち上げの席でYちゃんが隣だった。 何かの切欠で映画の話になった。 必然的にお互いの好きな映画は何? って流れになるが、どうせ俺の好きなタイトルを 出しても知ってるわけがない、と流し気味に話した所、なんと知っていると言うでは ないか。初めてだよ、ダウンバイロー知っている人に会ったの。 少林寺の話題になり、「少林寺三十六房」ってあったよねと振ったら、これも大好き だと言う。 Yちゃんは31歳なのに、古いタイトルもやけに詳しい。 じゃぁYちゃんの一番好きな映画は? 「悶絶!!どんでん返し」 「は?」 「悶絶!!どんでん返し」 知らないタイトルが出てきた。 なんと、日活ロマンポルノだと言うではないか。 31歳の清楚なイメージの人から日活ロマンポルノ! まじかっ。公表したらファンが減るぞ。いや、ギャップで増えるかも? 乗りかかった舟だ。観ることにした。 監督はあの神代辰巳。1977年の作品だ。 俺はエロ映画をあまり観ない人である。 濡れ場に至るまでの過程が面倒臭いし、濡れ場そのものもあまりそそらないから。 1枚の写真の方がそそるし、マ●コよりも顔が好きだ。 自分の事はどうでも良いとして、早速観てみよう。 以下ネタバレ含むけど、今更なので気になる人はいないだろう。 ひたすら暴力的。圧倒的暴力。暴力が支配する世界。 登場人物は漏れなく全員暴力を振るう。深い考えなどもなく人がいれば暴力を振 るう。 安っぽいチンピラ映画かと思ったら・・・ 主人公のサラリーマン(女が主人公じゃないのがまた)がヤクザに掘られ女性化 して、そこから展開がおかしくなってきた。 暴力を受ける側だったサラリーマンは、ヤクザの女と言う地位を得て、暴力を振 るう側に回る。そこにジメジメさはなく、爽快でおバカな暴力。 カメラワークと構図が良い。車で移動中に道路のみを接写で流す技、風呂でおっ ぱいだけ水上に出して蝿(?)を這わせる図。 無駄なシーンが一切無い。なぜここまで力を入れる? 曲の使い方も良い。 花電車の特訓のシーンが何度か出てきた。マ●コで吹き戻しを吹く技。 バカすぎる。 その特訓中に芽生えた愛も。 どの辺がどんでん返しなのか。 暴力をする側がころころ変わるからか、高飛びする時にあけみを選んだことか、 どっちにしろこれだけ濃いい作品だし、タイトルに深い意味はいらないだろう。 SM、緊縛、ホモ、レズ、女装、パイ投げ、色々なエロ・フェチ要素を詰め込 んであるが、エロいかって言うとそうでもない。 ジャンルもどこに入れていいのやらわからないが、面白い作品であることは 間違いない。 戻る