俺と暖飯器
幼稚園と保育園の両方に通園歴があるのだが、暖飯器(だんぱんきと読む)は保育園の 方にあった。 これは一体何かって言うと、字の通り、飯を温めるマシンだ。 保育園の昼食時は御飯だけ持参だった。(おかずは園で出る) 家から持ってきた御飯を朝一暖飯器に入れて、昼食時にそれを返してもらう。 俺が使ってた弁当箱はアルマイト製で、「サーキットの鷹」の絵が入っていたやつだったと思う。 サーキットの鷹はあまり好きじゃないから違うのが欲しかったのだが、うちの母親は人の話を 全く聞かないので、「○○が欲しい」と頼んでも希望通りの物を買ってくる事はほとんどなかった。 いや、この弁当箱は2代目だったかな。 最初に買って貰ったのがどんなんだったかは忘れてしまった。 このアルマイト製弁当箱は保温するとかなり高温になった。 手で触るとヤケドするぐらい熱い時もあったが、日によって熱さが違うってことは、園児の安全を 考えて、昼食の少し前に取り出していたんだと思う。 今も暖飯器ってあるのかな? 高校には暖飯器が無かったので、冷たい弁当を持って行くのが当たり前だったが、ある日、家に 便利なアイテムがあるのを思いだし引っ張り出してみた。 父親が大昔に使っていた冷めない弁当入れだ。それは黒一色の無骨なデザインで、四角いタワー 型である。しかし大きさが・・・ 高校の通学カバンはかなり大きいのだが、それに入らないぐらい大きいので大荷物になってしまった。 見た目も格好悪い。これって工事現場のおじさんがよく使ってるよなぁ。高校生が使ってるのは見た ことがないよ。 そこまで苦労した甲斐があって、俺は教室でヒーローになった。 暖かい御飯! 暖かい味噌汁! どうだ凄いだろ! みんなの羨望の眼差しが突き刺さるぜ。 帰り道、また大変な思いをして持ち帰った。邪魔だ〜。 余りにも煩わしいので、この入れ物は結局2回しか使わなかった。 今はもっと小型になってるんだろうな。 デザインも黒一色じゃなくてお洒落になってるんじゃないかな? 戻る