俺とキャットウォーク
キャットウォークが好きだった。 これが何かって言うと、建物の高所などにある狭い通路のことだ。 高所じゃない場所の通路もキャットウォークって言うことがあるので、段差のある 狭い通路って説明の方が適切だろうか。 日本語では別名猫走りとも言う。 河内ダムのキャットウォークみたいに、安全な通路では満足できない。 子供の頃良く挑戦していたのは、橋のサイドにあるキャットウォーク。 もしかしたら正式名称があるのかもしれないが、橋マニアじゃないので知らないよ。 橋を通行する車や電車からは見えないこの通路は、幅50cm前後であることが多い。 狭い物では30cmのもあった。屈まないと通れない通路もあった。 ガキの頃は常にスリルを求めていた。そのスリルが快感に変わるんだ。 橋の真ん中付近なら落ちても川なので大事に至らなそうだが、 途中で落ちたらコンクリートの上なので、骨折以上の重傷を追うのは必至だろう。 でも落ちないと思えば落ちないんだよね。 わざとアクロバットな動きをしたり、超高速で歩いたりして、仲間にアピールしたものだ。 一緒にいる奴が「恐いから俺はいいよ〜」って言うと、「何だよ、意気地無しかよ」 ってけしかけて、無理に渡らせるのが毎度のパターンだった。 もし落ちてたら問題になっていただろうな。 デパートのエスカレーター付近にあるキャットウォークなども標的になった。 吹き抜け構造だとメチャ恐い。この尻もぞもぞ感がたまらん。 これらは子供がやるから問題無い(?)のであって、大人がやったら通報されてしまうかも しれない。 もう本当のスリルを味わうことはできなくなってしまった。 でもそれで良いのだ。 人生守りに入ったら、スリルが目の前にあっても回避するだろう。 戻る