俺とバス停
バス停でバスを待っていたら、後ろからおばさんが来て声を掛けてきた。 「あなた、とってもいい顔をしてるわね。」 ええっ。いきなり何だ!? 何かの詐欺や勧誘を疑うのは当然だろう。探偵とかもあるかな。 しかし、このおばさん身なりは悪くない。悪くないって言うのは、華美な服装ではなく、 上流家庭の人が着るような地味で確かな素材って意味で。 それにインチキ占い師特有のでっぷり&油ぎっとりタイプでもない。知性を感じられる。 まぁバスを待つ間ぐらいなら話を聞いてもいいか。 そのおばさんは唄の習い事をしていてその帰りだと言う。 ははーん、唄で気分が高揚していて、それで見ず知らずの俺に話しかけたのだな。 趣味とかまで聞いてくるし、今時珍しくオープンな人だな。 あっバス来た。 おばさんは別れの挨拶をしたかと思うと、バスに乗らずに歩き出した。 あれっ、乗らないんだ・・・ 戻る