俺とボンタン
田舎の中学に通っていたので、ボンタンやドカンを履く奴が多かった。 あれは何だろうね、太ければ太い程良いって雰囲気があったのかもしれない。 駅近くにGって名前の違反服専門店があった。俺は買わないけど、仲間が集まる 場所だったので付き合いで良く行った。 そこはズボンの他にも短ラン、違反カラー、違反ボタン、ベルト、チェーン、 ツッパリサイフ(ここ笑う所)などを売っていた。 校則では一定の太さ以上は違反となり、卒業式まで取り上げられてしまう。 今考えると、生徒が何着ようと自由じゃんって思うのだが、自由になったらなったで、 誰も太いのは履かなくなるだろう。都会では当時既にボンタンが廃れてたみたいだし。 たまに抜き打ちチェックがあり、メジャーを持った教師団が巡回してくることが あった。 そこで、ズボンを2本持ってきていて、パッパッと着替える奴もいたし、「目立たないけど違反」 「違反スレスレだけどセーフ」とかそんな微妙なのを履く奴も多かった。 そんな中途半端な事をするなら普通のでいいじゃん、と俺は思ったさ。 俺はなぜかボンタンには興味が無かった。 結構高い物だったし、そんなのに金を使うぐらいならゲームに注ぎ込んだ方がマシだと思っていたよ。 「銀字は何で履かないの?」 と良く言われた。 「人と同じ物が嫌いなのさ」 戻る