俺と爆竹
子供の頃爆竹が大好きだった。 爆竹と言ってももちろん本物のではなく、駄菓子屋などに売っている小さな物だ。 商品名は「牡丹紅炮」で中国製だったと思う。1箱100円だった。 1束が20連になっていてそれが10束入っているのだが、1束使うのは勿体無かったので、 1本ずつにバラすのがお決まりだった。1箱買えば200回遊べるのだ。 夏になると常時爆竹がポケットに入っていた。 ふっとばしたい対象物にいつ遭遇するかわからないからね。 細い土管や空き瓶などに仕掛けるのはお約束。 ボフッとかカンッとか色々な音が鳴って趣深い。 しかし壊れない物は結果が想像できてつまらないので、やがてナマモノへ仕掛けるようになる。 俺は命の重さは知っていたので、生きている蛙などに仕掛けるようなことはしなかった。 蟻すらも踏まないように避けて歩くぐらいのマザーテレサ(?)みたいな子供だったからね。 今でも部屋に入ってきた害虫は極力殺さずに、外に逃がすようにしているのだ。えへん! 鮒や鯉の死体はよくターゲットになった。 しかしこの爆竹ってあまり威力が無いので、鯉ともなると見掛け上はほとんど変化が見られないのだ。 結局最終的に行き着くところはうんこなのだ。 俺は毎日うんこをふっ飛ばしていたので、だいぶ腕が上がった。 初心者にありがちな失敗、それはうんこに一直線に深く差し込んで音のみで終わるパターンだ。 文章だけだとプロの挿入の仕方が伝えられないので絵を描きたいのだが、面倒だからまた次の機会にする。 いかに遠くまでうんこを飛び散らせるか。これは一朝一夕では会得できない巧の技なのだよ。 一方向だけに飛ばしても駄目だし、飛びの角度や速度も自由自在にコントロールできるのがベストだ。 俺が現役の時は、うんこを飛ばす度に仲間から感嘆と賛美の声が漏れたものだ。 中学生になってからは更にステップアップした。うんこは卒業だ。 爆竹を分解して火薬だけを集めるようになった。 これも奥が深かった。 市販の手持ち花火みたいなのも作れるし、硬めに詰めて大爆発させたり・・・ 当時は何をやっても怒られない世の中だったのだ。 今の学校でこれをやったら新聞沙汰になると思うので、絶対にやらないで下さい。 戻る